事前にカジノの事務所に韓国に行く日を伝えて航空券を用意してもらって、今回の事は社長に内緒にして貰うように頼んだ。
ヤキモチ妬きの社長に見付かると後で面倒なのでそうしてもらったのだ。
担当者もそこのところは良く心得ていた。
渋谷の総料理長が「一回俺も韓国に連れて行ってくれ」と言われていたので今回を逃したらそうそう総料理長を韓国にお連れする事は出来ないと思ったからだ。
山梨から帰京すると計画した2週間前に総料理長に連絡して都合を聞いていた。
総料理長の都合の良い日が今日だった。
その後にヨンファに連絡しておき、総料理長を面倒みてくれる女性をヨンファに頼んでおいた。
更に韓国在住の地元の友人に電話して例の個人タクシーを一日貸し切ってもらう予約をした。
総料理長にソウル見物してもらうためだった。
総料理長とは空港で待ち合わせた。
待ち合わせ場所に既に総料理長が着いていた。
私「総料理長、お久しぶりです、お待たせしちゃいましたか?」
総「いいや、今着いたところだよ」
私「じゃぁ、ラウンジに行って休みましょう」と。
ラウンジに行って直ぐに「料理長、すみませんがお幾らお持ち頂けたでしょうか?」と尋ねると、
総料理長は「300万円」と答えた。
「それだけ持ってきて頂けたらメンバーにして頂けると思います」と言った。
総料理長は「そうか、そうだったら嬉しいな」と。
私「私がこれからはそうそう行けなくなるので代わりに行って下さい」と言った。
そんな話をしていると放送があって搭乗口に行った。
日本の航空会社だったのでビジネスクラスのシートだった。
総料理長でさえビジネスクラスでの旅行はした事がなかったらしく大変に喜んで下さった。
金浦空港に着くとリムジンが待っていたのにも総料理長は感激してくれた。
更にホテルに着いて小部屋に通されて持参金の申請をした際に担当者に私が「今回私は独立創業するのでそうそう来れなくなると思うのです。そこでこちらの方が私の代わりに今後利用すると思いますのでメンバーにして頂けませんか?」と言うと直ぐにOKが出た。
総料理長は物凄く喜んでくれた。
その後、部屋のキーを頂いたのですが総料理長の部屋が普通の部屋で私の部屋がスイートルームだったのでキーを交換した。
総料理長は何の事か分からないでいたが、その事は後で理解した。
取り合えず総料理長のプライドを傷付けてはいけないので機転を利かせてそうしただけだった。
フロント前で待っているとそこにヨンファが総料理長の彼女を連れてきた。
私「ヨンファ、久しぶり、元気だったか?」と声を掛け「こちらが私の大親分」と言って総料理長を紹介した。
更に私は総料理長に「今日から2泊3日大親分を接待する人がこの彼女です」と言って彼女を紹介した。
総料理長は「えっ?どういう事?」と慌てていたが、私は「そういう事です」と言って笑ったら総料理長は「あぁ、そういう事ね」と言って微笑んでくださった。
つづく
いつもご協力ありがとうございます

