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官能私小説ノート

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2度目の独立開業の為の契約 3-2

明くる日の朝一番で不動産屋に電話をし、契約の日時を相談し、その後再度、銀行の支店に行き、高橋支店長にお会いして、契約の際に支店長代理さんをお借りできたらと話しをすると、高橋支店長自らが同席して下さると仰って下さったのです。

契約を交わす当日に銀行に行くと既に不動産屋の社長さんと前の経営者の奥様が銀行に来ていて、応接室に居るとの事でした。

流石に銀行はやる事が早いと思い、支店長に話しを入れたのは正解だと思いました。

不動産屋の契約と前の経営者の口座に200万円をその場で振り込み、契約が一通り終わりました。

関わった方々にお礼を言い、晴れて2度目の正直の店舗が決まった瞬間でした。

運転資金は融資を受けるつもりは無かったのですが、何かあっても困るのでとりあえず、銀行から融資を受ける事にしました。

本部に稟議を出す事もなく、高橋支店長の決済だけで融資が決まり、幸先の良いスタートを切る事ができました。

造作や什器備品類は全て揃っているのですが、全て同じ物を使っては、前と全く変化が無いのもイメージを刷新できないので、お世話になっていた陶芸の先生(師匠)に電話を入れ、2度目の開業の際に器をお願いする旨を伝え、更にはレセプションで配るマグカップを先生に製作していただく事をお願いしました。

看板は一階店舗なので、DIYで自分で作る事に決めていました。

既にメニューや営業形態は考えていたので、それを実行するだけでした。

後はアルバイトやパートを募集する事と崇や茂が来るのを待つばかりでした。

セッカチな性格なので何事も事前に準備するがモットーの私でしたので、こういう時に慌てる事はなかったのです。

(つづく)

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2度目の独立開業 3-1

弘子の両親との事は暫く置いといて、私は2回目の独立開業の準備に追われました。

その間も弘子とは週一で連絡を取り、会えない時は電話をして交際は続けていました。

弘子はあの後に両親に自分の気持ちを伝えてはいたものの、両親は私との交際は認めてくれなかったそうです。

私自身、今は兎に角、開業を優先しようと思い、日々店を探していました。

ある日に口座のある銀行に行った際に1回目の独立開業でお世話になった銀行の担当者が支店の奥の席から「依田さんじゃないですか?」と声を掛けられたのです。

私「あぁ、高橋さん、その節は大変にお世話になりました」

高橋さん「依田さん、応接室で話しましょう」と言って私を応接室に案内して下さいました。

応接室のソファに座ると高橋さんは名刺を出してくれました。

支店長に昇進して先月にこの支店に転勤してきたとの事でした。

私は昨年まで地方のホテルで勤務していて、今は二度目の独立開業をする為に店舗を探している旨を話すと、高橋さんはすぐさま「依田さんにピッタリの貸し店舗がありますよ、見てみますか?」と。

その後、女性行員さんがお茶を持ってきてくれ、その際に「次長を呼んで下さい」と。

次長が来て、高橋さんは「以前に話していたあの大森の居抜きの店の資料を持って来てほしいんだけど」と。

次長は直ぐに資料を持って来てくれました。

前の経営者が1年ほど営業していて、病気で倒れて、営業を継続する事が出来なくなったとの事で、1年しか使ってない、新品同様の造作と什器備品類を安価で継承してくれれば、営業権を譲渡したいとの物件でした。

病気で既に入院しているので、早くお金にしたかったようで、その金額とは15坪の一階店舗で譲渡金額が200万円だったのです。

これは願ってもない事で、直ぐに融資の支店長代理と一緒に見に行く事になりました。

支店長代理は軽自動車を出して下さって、一緒に見に行きました。

大森駅から1本入った立地的には最高の物件で、その足で直ぐに不動産屋に行き、手付金を払って仮契約をしました。

また銀行に戻って高橋支店長にお礼の挨拶をして帰宅したのです。

帰宅して一番弟子の崇と二番弟子の茂に電話を入れ、物件が見付かった事を告げ、遅くとも2ヵ月後には勤務先を辞めて集まれるようにと伝えました。

(つづく)

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弘子とのその後 2-2 弘子の両親と会う

弘子からの電話でご両親と会う日時を指定されました。

私は事前に地元名物の相模屋さんで葛餅を買い、タクシーで向かい、弘子は時間前から門の前で待っていてくれていたそうです。

玄関に入ると、母親が正座して三つ指を付いて出迎えてくれました。

玄関の土間から靴を脱いで上がると、応接間には父親が腕を組んで怖い顔をして既に待ち構えていました。

促されるようにソファに座り、持って来た手土産を渡すと、「君のご実家の近所だったよね」と言った時に弘子の顔色が変わったのです。

私は「はい、良くご存知ですね」と直ぐに言うと、父親は『しまった』というようなバツ悪そうな顔をしたのです。

その後はその件には触れずに話しを変え、一般的な話しになり、その後は弘子の父親や祖父の国家公務員時代の話しや、父親の兄弟や母親の兄弟の仕事の話しにも及び、親戚中に私の話しをしたところ、全員が反対していると言われ(後で弘子が話してくれた事では親戚に相談はしていなく、父親の作り話しだった)弘子の夫は公務員や大企業のサラリーマンを希望していて、私との交際は反対だと言わんばかりの話しで、私の話しは一切聞こうとしてくれませんでした。

その間、弘子はずっと無言でした。

私は一方的な話しだけを聞かされて、更には両親だけではなく親戚一同にもそこまで嫌われているのでしたら、弘子の事は諦める気持ちにもなりつつありました。

父親は自分の話しを終えると、「寿司を取ったから食べて帰りなさい」と言われたのですが、一緒に食事をする気持ちが無くなり、「お気持ちだけ頂きます」と言って帰らせて頂こうと思い、席を立つと父親は席を立って「君は人の好意を踏み躙るのか!」と大声で叱責されました。

私は「申し訳ありません」と言って、席を立ち、弘子に「ごめん、今日はこれで帰るから」と言って席を立ち、玄関に行き、靴を履きました。

玄関の扉を開けて外に出て閉める前に深々と礼をし「失礼します」と言い、門を出ると、弘子は走って出てきて、「今日はごめんなさい」と涙ながらに言いました。

私「弘子が悪い訳じゃないから気にしないで」と言って、弘子にも頭を下げそのまま帰宅しました。

(END)

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弘子とのその後 2-1 弘子の両親の反対

二度目の独立開業の準備で忙しくなり、弘子と頻繁に会う時間が持てなくなりましたが、週一の弘子の会社の休みの火曜日には極力時間を割いて会うようにしていました。

ただ弘子の父親が私や私の家族の事を興信所に調べさせている事が判明したのです。

それは私の母の友人が実家の近所に住んでいて、興信所が来て、私や家族の事などを根掘り葉掘り調べに来た事を知らせ、その事を弟から電話を貰って知る事になったのです。

別に犯罪を犯した私を含め家族にいる訳でも無かったのですが、私自身が一回離婚していた事や高校中退している事、そして職業が料理人という事が弘子の父親にとって気に入らない事のようでした。

この興信所の事は弘子自身は知らされてなかったので、私は弘子には伝えませんでしたが、弘子の両親は弘子に私との交際を理由は話さずに反対と話したそうでした。

ただ、そうは言っても弘子自身は私との交際を希望していて、気持ちがぶれなかったようで、根負けした両親は私との面会を希望したのです。

親の方から会いたいと言われてしまった事に私は困惑し、その事を弘子に言いました。

私としては弘子と交際した直ぐの時点に両親とお会いしたかったのですが、後の祭りになった事が嫌でした。

いずれにしても両親は弘子と私の交際を良しとしていない訳で、その両親の元にどの面下げて行けば良いのか悩みました。

人生の師匠として尊敬し、様々な場面で相談していた、ホテル経営の先輩に電話をしました。

先日のデートの際に先輩に会ってもらいたく連れて行くつもりでしたが、弘子の体調が悪かったので、急遽先輩に電話で行けなくなった話しをしていたからでした。

先輩は「弘子さん本人はどうしたいのかな?」

私「弘子は親が反対しいていても、私と一緒に成りたいとは言ってくれています」

先輩「で、お前は?」

私「私も彼女と結婚したいと思っています」

先輩「だったら堂々と親御さんに会って、素のお前を見てもらえば良いんじゃないかと思うよ、頑張れ!」

私「分かりました、そのようにしてみます、ありがとうございました。近い内に弘子と伺います」

先輩「分かった、待ってるから」

(つづく)



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弘子とのその後 1-10 社長さんにスポンサーの件のお断り

後日にまた弘子の会社の社長さんと彼女そして弘子と私で飲む事になりました。

弘子と待ち合わせをして店に行くと既に社長さんと佐代子さんが待っていました。

二人に挨拶を済まし、注文をし終わると社長さんは「依田くん、あの件は考えてくれたかな?」と。

私は佐代子さんが話してくれているのではと思っていたのですが、未だのようでした。

そこで先日、佐代子さんには話した、一度独立開業して3年で店を畳んだ、私にとって忌まわしい過去を丁寧に話し、今回の二回目の独立はリベンジだと伝え、だから自分の力で再トライしたいとの説明をしたのです。

社長さんは父親が興した会社の二代目だったので、私の気持ちは理解してもらえなかったようでした。

社長さん曰く、スポンサーが居た方が、自分でやるよりも大きな仕事が出来るからを力説するのです。

でもそれでしたら、今まで勤務していたホテルの料理長と何ら変わらない事を説明したのです。

そこへ、佐代子さんが割って入って下さいました。

佐代子さんは社長さんにスポンサーになってもらっている事で、肩身が狭く、今の仕事がつまらなくなっている話しをしたのです。

社長さんはまさか、この場でそんな話しを佐代子さんからされるとは思ってもいなかったので、慌てふためいていました。

そして最後には「今回の依田くんとの話しは佐代子には関係の無い話なんだから、口を出すな!」とまで言い、これまで紳士的な態度や口調で接していた社長さんが感情的になっていったのです。

私はどこの社長も一緒だと思いました。

まず考えもしませんでしたが、この社長さんにスポンサーになって貰っていたら、佐代子さんと同じ境遇になった事ですし、今回佐代子さんが本音を言って下さったことで、今回の話しは無かった事になって助かりました。

弘子は始終、黙ったままでしたが、それで良かったと思っています。

社長がトイレに立った時に佐代子さんは「これで良いかな?」と訊いてきたので、私は「今後がやり難く成っちゃったんじゃないですか?」と言うと、佐代子さんは「あの人とはもう別れるつもりだから心配しないで」と言いました。

社長はトイレから帰ってくる途中で会計を済ましていたみたいです。

その後、何とも言えない、重い空気のままでお開きになりました。

(END)

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